ちょっと前、日本の研究職における女性の割合は1割程度だから、諸外国より低すぎてこいつは問題だ、みたいな報道がありましたが。
でも明らかに、平均値なんですよね、この数字、それも文系理系問わず、実験系か理論系かも問わずの。
しかも、研究職の範囲と言うものもはっきり書いてなかったので、下手すると技術職を含めているかも知れず(いわゆるテクニシャンと呼ばれる人の場合、たとえ専門知識がなくても訓練によって実験操作技術を身につけるので、研究職とは言いがたいです)。
つーか、私がいる学部なんか、本当の意味での女性研究職が1割もいたら、むしろびっくりです。
そのカラクリはといいますと・・・
この学部、国内全体で見ると、実は女子学生のほうが多いです。
ただし、研究に力を入れている大学に関しては、男女比は半々から少し男子が多い程度になります。
そして、研究室に配属された後、更に研究職への道が開ける大学院へ進学するときに、完全に男子の割合が高くなります。
で、研究分野によってはびっくりするほどの男女比の偏りが生じるため、そういう研究室では下手すると"20:3"ぐらいの勢いになります。
まあ、そういった研究室がどんな様子かと言いますと、野郎な学生が騒々しく落ち着きがないこと甚だしくまるで動物園ですわ(爆
そして私は何故か、そんな「動物園まっしぐら」な分野に、身を置いているわけなんですけど(自沈
しかも、その貴重な"3"の中には、学部で卒業し、某資格を生かして研究以外の道に進む人もいますし、修士卒でさえも某資格を生かして研究以外の道に進む人もいます。
特殊な例では、結婚して進学を諦め、夫の赴任地に一緒に付いていく、なんてのもありました。
そこから更に、女子学生が博士に進学しようなんて事になると、時に大騒ぎになります。
「婚期が遅れる」などというケッタイな理由で、先輩から、全力で制止されたりします(苦笑
(その先輩こそ、人のことを心配する前に自分の心配をしろ、と言いたいくらいなんですけどね^ ^;;)
数年前、私の先輩が学位を取ったとき、そこの大学のそこの学部のその分野では初の日本人女性博士だ、なんていわれたくらいですから、分野によってはどんな状況かがご想像いただけるかと。
女性の場合、今の時代でさえも、そして理系でさえも、本人の意思よりも家庭の事情や親の意見、あるいは世間の無理解などが、生き方を左右しかねないんですわ、これが。
ま、今は、下っ端に関しては任期制が増えたためか、新しい大学ではこの学部も女性教官の数がだいぶ増えては来ましたけど、常勤以上になるとお寒い限りです。
こんな厳しい状況から、本当に女性研究職を増やす気があるんですかね、この国は。
相当な時間と手間隙がかかると思うんですけど、そんな根性を注ぎ込む覚悟が関係各位にどれだけあるのやら。
個人的にはもっと増えて欲しいんですけどね。本気で。じゃないともったいないですよ。