以前に何度か書きましたが、ウチの大学の学生さんは、私の学生時代に比べると格段に質問に来ます。
その積極的な姿勢は評価に値します。
ただし、これも何度も書いたことですけど、質問の仕方が明らかにズレていることもしばしばでして。
例えばこんな感じ;
1. 教科書に書いてある情報を利用出来ない。
何度も書いてますけど、よくあるのが、教科書で自分の調べたい情報を引きだす方法を知らない、てやつです。
ウチの大学の学生さんだと、大体このあたりの、何かを一生懸命勉強したいとは思っているけれども、その手段を身につける手前で止まっている人が多いので、まずはそのお手伝いから「教える仕事」が始まるわけです。
何をキーワードに調べればいいか分からないってのが一番多いようですが、後ろの索引の存在自体をご存知無かったり、教科書の日本語読解レベルで躓いたり、という重症患者も時々居られます。
中には逆に、この世に存在する全ての現象が教科書に書かれている、と思い込んでいる人も居られます・・・そりゃあ、100巻組の教科書でも全てを網羅するのは無理とちゃうか??多くの教科書ってのは一般説明と代表例を書いてあるだけで、個々についてはそこから判断材料にするもんだって(苦笑
というわけで、
質問に来る前に教科書を最大限活用してくれるかな?
2. 教えてる先生と違う講座に質問する。
ウチに質問に来る学生さんのうち、3割ぐらいがこれです。
「教科書に構造式書いてあるから、化学系の先生なら誰でもわかるはず」ぐらいの発想らしいです。
たとえ教科書に一見似たようなことが書いてあっても、教える人の専門が細かく違うだけで残念ながら、お約束やお作法が違ったり、着眼点が違ったり、理論だけでなく経験則が幅を利かせてたり、とまあ多種多様な不都合が生じまして、回答不能の場合が多々ありますので、この方法はけしてお勧めしません。
だってあーた、水墨画について質問するときに、油彩画家とっつかまえたりする??(苦笑
というわけで、
教えてる人のところに質問に行ってくれるかな?
3. 他の先生の悪口を言う。これは特に2と同時上映の場合が多いです。
「○○先生は挨拶がぶっきらぼうだから、自分は嫌われてるに違いない」・・・そういう挨拶をする人だってだけだってば。
「○○先生は自分に目をつけていて、いつも無理難題な課題ばかり与える」・・・それ以前に、自分が人の説明聞いてなかったり、根本的に勉強してないからでしょ、これまで習ってきたはずのことが全く身に付いてないから難しいだけだって。
つーか、それって正しい日本語では「目をつけてる」じゃなくて「重点的に指導している」だとおもうけど。
「○○先生は教えてもないことについて口頭試問する」・・・そんなバカなと思ってよーく話を聞いてみると、何のことはない、肝心の解説を本人が聞いてないだけだったっての、いつものパターンです(苦笑
というわけで、
他人に文句を言う前に、自分自身を一度振り返ってみてくれるかな?
こんな調子で質問以前の質問を受ける時は、疲労感倍増ですわ。
それでもせめて、本人達にとって何がしかの利益に繋がるなら、私も苦労のし甲斐があるってもんですがね。
これで、私が答えたことをスッカラカンに忘れられた日には、私は何の為に自分が予定していた仕事の手を止めたのやら哀しくなりますのでね。
質問とは、自分だけではなく他人の時間を消費する行為だってこと、よーく考えて欲しいなーと思う今日この頃。