学生時代からこんな特殊な業界におりますので、色々な職業病が身についてきます。
研究室では、「お先に」と言われると条件反射で「お疲れ様でした」と言ってしまうので、実家に帰っているときなど、それが「おやすみなさい」の意味だったりするとかなり頓珍漢な会話になります。
有機溶媒を毎日扱っているおかげで、溶媒の匂いがすっかり平気になり、普通の人なら気分が悪くなるような状況でもかなりへっちゃらで、むしろ気付きません(健康には最悪ですが)。
それと、一般の使い方と被ってしまう、化学系の略語があります。
「ジャックス」と言えば、例のクレジットカード(JACCS)ではなくて、Journal of the American Chemical Society (= JACS)という有名な化学系雑誌の名前を指します。
JOCは、「日本オリンピック委員会」ではなくて、コレも有名な化学系雑誌のJournal of the Chemical Societyのことです。
TBSとはテレビ局ではなくて化学構造をあらわしています。
他にもこんな言葉が色々ありますので、会話を傍から聞くと、意味が食い違って「??」かもしれませんね。
企業に勤務していた時期に指摘されたのですが、企業では仕事が各部署に分担されているけれど、大学の研究室では自分で全部しなければいけない、と。
Windowsのセキュリティーホールを突いてワームが世界中を大暴れした時、私はもしもに備えて自宅で更新プログラムとワクチンソフトの準備をし、会社に持って行ったのですが、そんなことはそれを担当する部署の人に任せておけばいいと言われました。
大学の研究室生活が長かったもので、思わず自分でやろうとしたわけでして。
大学では、こういうことに気を使う人がそもそもおらず、自分のパソコンを守るために研究室のパソコン全体の面倒を見るようになってしまい、結果的に研究室内サポセン状態になってたときの癖です。
この癖は、もう一度大学で仕事をするようになって、不本意ながらも結果的に遺憾なく発揮されている気がします。
人間万事塞翁が馬です。
サポセンと言えば、これが「サポートセンター」の略だと言うことはお分かりでしょうか。
私はこの「サポセン」と言う単語を会社で普通に使おうとしたところ、先輩から「変」と大笑いされました。
それに、冷凍庫で凍らせて何かを冷たく保つアレ、保冷剤と呼びますか、それとも蓄冷剤と呼びますか。
私は普通に「蓄冷剤」と呼んだところ、これもまた「変」と大笑いされました。
言葉って、難しいです。