私はMからDに進学するとき、自分以外に由来する諸般の事情から、大学を変わりました。
その時、私の行き先について、当時の恩師には最大限の世話を受けました。
そのお陰で私は路頭に迷わずに済んだわけです。
そのことについて、当時の自分は頭の中の理屈ではわかってました。
しかしながら、私も若かったせいでしょうか、今振り返ると、どうしても割りきれないものがあったようでして。
自分がMのテーマで学位を取るつもりだったもので、きっと悔しかったのでしょうな。
で、自分が出したデータの扱いについて、私ゃ随分と生意気な書き置きを残してしまったんですね。
それからずいぶんな月日が経ち、ある日、その恩師から連絡がありました。
君の残したデータを元にまとめた論文を投稿したが、君の書き置きに従って、共著者は全員、この論文の実験に直接貢献した人間だけにしたから、安心してくれ、と。
先生、あの時は変な書き置きして、そのせいで今の今までお気を使っていただき、本当にホントにお手数かけました。
先生はおかしなことをする方ではないと分かっているのに、愚かな弟子で申し訳ありませんでした m(_ _)m