昔々、私がまだ学生だった頃。
当時、私が居たのは古い大学だったため、基本的に入り口開けっ放しの人間出入りし放題な、「セキュリティって何、おいしい食べ物?」状態でして、時々飛び込みの業者さんなんかがやってきてました。
貧乏学生相手に、超怪しーいスケルトンボディの電卓を、1000円で売りつけようとしたお姉さんとか・・・誰も買わんっちゅーねん(苦笑
そんな調子で、ある日やってきた人は、見た目、比較的ちゃんとしたところの若手の営業さんに見えました。
んで、『お前も今度からひとりで営業して来い』と、先輩から放り出されたような感じ(勝手な想像)で、ちょっと途方にくれてました。
曰く、「窒素ガスを吹き付けて溶媒を留去して試料を乾燥させる装置なんですけど、そちらでお使いになりませんか?」・・・へ?
この装置、実はタ●ボバ●プって奴です。
ある研究分野では、超メジャーな装置ですが、当然ながら研究内容が違うと全くご縁がありません。
私は当時、その装置について全く知りませんでしたが、少なくとも、ウチの研究室で使うような代物ではないことは分かりましたので、「使わないと思いますけど」とだけ答えて後は先生に任せてしまいましたが。
で、会社員時代、自分がその装置を使うことになったとき、「ああ、あのにーちゃんはコレを売りたかったのかー、ははあ」と納得すると同時に、「ご免にーちゃん、悪いんだけど、合成屋はこの装置使わへんわ、だって留去する溶媒の量がリットル単位だもん、こんな試験管の量を相手にする装置じゃ無理だし」とも思ったのでした。
営業訪問先の研究分野はぜひ事前にご確認ください。